根管治療後のズキズキはいつまで続く?腫れや痛みの原因と和らげる対処法

虫歯の根管治療をした後、神経を取ったはずなのにズキズキと痛んで不安になる方も少なくありません。
眠れないほどに痛む場合には、寝不足やストレスにもつながり日常生活にも支障が出ます。
この記事では、根管治療のズキズキとした痛みがいつまで続くのか、腫れや痛みの原因と痛みの対処法について解説します。
根管治療後の痛みで不安を抱えている方は、ぜひご覧ください。
根管治療後のズキズキはいつまで続く?
根管治療後のズキズキとした痛みがいつまで続くのかは、人によってさまざまで、治療の難易度や感染の進行度、治療を受けた方の健康状態にも左右されます。
ここでは、腫れや痛みの度合いを軽度、中程度、長引く場合に分け、一般的にいつまで続くかを解説します。
軽度の腫れや痛みの場合
根管治療直後の痛みは、軽度で済むことが大半です。
軽度の腫れや痛みの場合は、数日から1週間程度で治まるでしょう。
感染があまり進行していなかった場合には、1~3日程度で徐々に軽減していき数日後には痛みを感じることはなくなります。
中程度の腫れや痛みの場合
感染がやや進行している、複雑な根管治療だった場合には、腫れや痛みが1~2週間続くことがあります。
多くのケースで日数が経つにつれて徐々に痛みや腫れは軽減していきますが、1週間経っても痛みが持続している場合には、歯科医院に相談することが大切です。
腫れや痛みが長引く場合
腫れや痛みが2週間以上続く場合は、根管治療が不完全である、または感染の再発が疑われます。
痛みが強くなってきた、腫れが悪化してきた場合は、早急に歯科医院で診察を受けましょう。
根管治療後のズキズキの原因は?
根管治療後にズキズキと痛むのは、珍しいことではありません。
痛みの原因は複数ありますが、一般的に治療の際に歯や周辺組織に負担がかかるために起こります。
根管治療後のズキズキとした痛みの主な原因は以下の7つです。
- 免疫反応による痛み
- 根管治療の刺激による痛み
- 仮蓋による痛み
- 薬を詰めたことによる痛み
- 炎症の残留による痛み
- 神経が残っていたことによる痛み
- 虫歯の再発・歯根の砕折による痛み
ここでは、主な痛みの原因について詳しく解説します。
免疫反応による痛み
根管治療では、歯の内部で感染した神経や血管を取り除くことから、体の免疫システムが傷ついた組織を修復しようとします。
修復の過程で腫れや痛みを伴う場合もあり、治療が成功しても起こる一般的な現象です。
免疫反応による痛みは数日~1週間程度で自然に治まります。
根管治療の刺激による痛み
根管治療中は麻酔をかけて行うため、痛みを感じることはほとんどありません。
しかし、麻酔が切れた後は施術の際に根の中を触る器具による刺激で歯、歯肉、周辺の神経が過敏になり痛みが出る場合があります。
根管治療の刺激による痛みは歯周組織が治癒を開始するために起こる一時的なもので、数日~1週間程度で治まります。
仮蓋による痛み
根管治療後は、次の治療まで仮蓋という詰め物をして過ごしますが、この仮蓋の圧迫によって痛みを感じることがあります。
また、仮蓋の高さが合っていないと噛む際に反対側の歯に当たり、痛むことがあります。
仮蓋の高さが不適切だと感じた場合や痛みを感じた際には、すぐに歯科医院に相談しましょう。
薬を詰めたことによる痛み
根管治療後、根管中に薬剤を詰めることで痛みを生じる場合があります。
薬剤は菌が発生しないように詰めるものですが、空間を残さないように圧をかけて充填します。そのため、圧迫感による痛みが出ることがあります。
また、薬剤が根の先端から漏れてしまうと、周辺の歯や歯肉にとっては強すぎる刺激となり痛みを感じることがあります。
薬剤による痛みは一般的に数日で消失しますが、強い痛みや長期間続く痛みの場合には歯科医院を受診しましょう。
炎症の残留による痛み
根管治療の工程で、歯の内部の感染した神経や血管を除去し、歯の内部を清潔にします。
その際に細菌が完全に取り切れていない、感染が進行していたなどの原因で治療後に炎症が残り痛みや腫れを引き起こす場合があります。
また、歯の根っこと歯槽骨との間に存在する膜のような組織である歯根膜に炎症がある場合は、噛む時に痛みを感じることがあります。
炎症が原因の場合には、痛みや腫れが長期間続くことがあります。
噛む時に痛みが出る、1週間以上痛みや腫れが続く場合には、歯科医院での診察を受けましょう。
神経が残っていたことによる痛み
根管治療後の痛みには、治療で取るはずの神経が残っている場合も考えられます。
根管内はとても細く複雑な構造なことから、神経の取り残しが生じてしまうことがあります。
神経が残存している場合は、強い痛みを感じやすいため、その場合はすぐに歯科医院で判断してもらうことが大切です。
虫歯の再発・破折による痛み
虫歯の再発や歯根が脆くなって折れた場合にも痛みが生じます。
歯根が折れると、細菌によって膿や歯肉の腫れが引き起こされ痛みます。
再度の根管治療や外科的な治療が必要になるケースもあるため、早急な歯科医師への相談が必要です。
根管治療後に眠れないほど痛いときの対処法
根管治療後のズキズキとした痛みは、一般的に時間の経過で治まりますが、人によっては眠れないほどに痛む場合もあります。
眠れないほどの痛みを伴う場合には、歯科医師への早急な対応が必要ですが、自分でできる対処法も知っておくと安心です。
根管治療後の痛みを緩和する7つの対処法は以下の通りです。
- 鎮痛剤を使う
- 患部を冷やし体を温めすぎない
- 痛みのある部分に触れない
- 頭を高くして寝る
- 食事を工夫する
- 口腔内の清潔を保つ
- 歯科医院に相談する
それぞれの対処法について詳しく解説していきます。
鎮痛剤を使う
根管治療後に痛みがある場合は、まず歯科医院で処方された鎮痛剤で痛みを軽減しましょう。
次の受診までに時間があり、処方された鎮痛剤を飲み切ってしまった場合には、市販の痛み止めでも問題ありません。
市販の鎮痛剤はロキソプロフェン、アセトアミノフェン、イブプロフェンなど成分が異なりますが、どれを使っても効果があります。
ロキソニン、イブ、バファリン、タイレノールなどはドラッグストアにある場合が多いので、用法用量を守ったうえで服用しましょう。
患部を冷やし体を温めすぎない
根管治療後は、長時間の入浴、飲酒、激しい運動は避け、安静を保ちます。
血行が促進されることによって、痛みが出やすくなり、出血を伴う場合もありますので、体を温めすぎないよう注意しましょう。
また、腫れを伴う痛みの緩和には、患部を冷やすことも効果的です。
方法は、氷のうやタオルを巻いた保冷剤を患部に10分ほど当てるだけです。
ただし、保冷剤を直接患部につけてしまうと凍傷になる可能性もあるため、必ずタオルを巻いてから冷やしましょう。
痛みのある部分に触れない
痛みがある部分が気になって触れてしまう方も少なくありませんが、逆に痛みを増幅させてしまいます。
患部に直接触れることは、細菌感染のリスクを高めるため避けましょう。
また、頬の上からぐりぐりと痛みのある部分を押すことも、痛みを助長させるため行わないようにしましょう。
頭を高くして寝る
腫れがある場合には、横になると血流が促進され痛みが強くなることがあります。
寝る際に、枕やタオルなどを重ねて頭を高くして寝ると腫れや痛みを軽減できます。
食事を工夫する
根管治療後は、歯に強い圧力をかけると痛みが増す場合があるため、痛みが強い場合には、柔らかい食べ物を摂取するのがおすすめです。
スープ、ヨーグルト、豆腐、温野菜など噛む力を必要としない食べ物を摂ることによって、歯への負担を軽減し、痛みを緩和できます。
口腔内の清潔を保つ
根管治療後は、口腔内のブラッシングをすることが大切です。
根管治療をした歯は再感染のリスクがあり、痛みがあるからといってケアを怠ってしまうと細菌が増殖し炎症を引き起こします。
根管治療をした歯のブラッシングの注意点は以下の通りです。
- 柔らかく小さなヘッドの歯ブラシを使う
- 力を入れずに丁寧に磨く
- 歯と歯の間はフロスで優しく磨く
- 抗菌性のマウスウォッシュを使用する
歯ブラシを選ぶ際は、毛が柔らかく、ヘッドが小さいものを選びましょう。根管治療後のデリケートな歯に余計な圧力をかけることなく、細かい場所まで磨くことができます。
歯ブラシの方法は、可能な限り圧力をかけないように1本1本丁寧に磨きましょう。
歯と歯の間はデンタルフロスを使用して、汚れを取っていきますが、この際もできる限り力を入れずに優しく清掃することが大切です。
仕上げに抗菌性のマウスウォッシュを使うことで、口腔内の細菌を減らし感染予防ができます。
根管治療後の歯は細菌が原因のトラブルが起こりやすいため、日常的にマウスウォッシュを使うことをおすすめします。
歯科医師に相談する
上記のような対処法で痛みが一時的に和らいでも、腫れや痛みが長時間続く、強い痛みを感じる場合には早めに歯科医師に相談することが重要です。
特に、1週間以上痛みや腫れが続く場合には再治療や追加の治療が必要になることもあります。
自己判断せず、早めに歯科医院を受診することでトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
根管治療についてのよくある疑問
根管治療は複雑な治療のためわからないことも多く、不安になる方も少なくありません。
ここでは、根管治療についてよくある疑問に回答します。
仮蓋が外れたらどうすればいい?
仮蓋は、根管治療後、次の治療までに一時的に歯の内部に細菌や食べ物が入らないようにしておくものです。
仮蓋は完全に固定されていないため、硬いものを噛んだり、強い力がかかることで外れてしまうことがあります。
仮蓋が外れてしまったら、すぐに歯科医院に連絡をして対応してもらうことが重要です。
仮蓋が外れた状態で食べ物を噛んだり冷たい飲み物を飲むと、歯や歯茎に負担をかけることになります。
トラブルが起こると治療自体も進めることができなくなってしまうため、早急な対応が大切です。
根管治療をしたのに噛むと痛いのはなぜ?
根管治療後は、機械が触れたことによる痛み、殺菌薬を入れたことによる痛みがよく出てきます。これらは1週間程度で治まることがほとんどです。
根管治療後に噛む時だけ痛い場合には、主に以下の原因が考えられます。
- 硬いものを噛んでいる
- 歯の根の先から薬剤が漏れている
- 未処置の根管が残っている
- 仮歯の噛み合わせがよくない
- 根の先にひびが入っている
- 通常の根管治療では治癒しない細菌の種類だった
根管治療後、1週間から2週間は硬いものを食べることは避けましょう。
また、未処置の根管や根の先のひびはマイクロスコープと呼ばれる装置で見つけることができます。
設備の整った歯科医院でしっかりと原因を調べることで、痛みを軽減する処置をしてもらうだけでなく、再度根管治療を行うかの判断にもつながります。
上記のどの場合であっても、1週間から2週間様子を見て噛んでも痛い状態が続いているようなら、歯科医院を受診しましょう。
神戸市東灘で根管治療後のズキズキが気になったら『福山デンタルクリニック』へ
根管治療後にズキズキとした痛みがある方は少なくありませんが、一般的に数日から1週間で治まります。
しかし、なかには追加の処置が必要な場合や再び根管治療を行わなければならない場合もあります。
痛みの原因を突き止めるには、CTやマイクロスコープなど高精度な治療につながる設備を持つ歯科医院で行うのが安心です。
『福山デンタルクリニック』では、精度の高い根管治療を行うため、患部を拡大するマイクロスコープ、三次元データを得るためのCT、だ液による細菌感染を防ぐラバーダム、根管内の洗浄を行う超音波洗浄機、神経の保護に用いるMTAといった設備や素材を揃えています。
また、被せ物もマイクロスコープを用いて専用の技工士が作成し、根管治療後のトラブル防止に努めています。
根管治療後のズキズキとした痛みが気になる方、根管治療に不安をお持ちの方はぜひ『福山デンタルクリニック』をご検討ください。