根管治療後に歯茎を押すと痛い!受診目安と失敗・再治療について解説

根管治療後、歯茎を押すと痛みを感じることがあります。
せっかく治療をしたのに痛みがあると、根管治療が失敗したのではと不安になってしまう方も多いでしょう。
この記事では、根管治療後に歯茎を押すと痛い場合の原因や受診の目安、根管治療が失敗した際に出る痛みや再治療についても解説します。
根管治療後に痛みがあって不安な方は、ぜひご覧ください。
根管治療後に歯茎を押すと痛いのはなぜ?
根管治療後に痛みが出ることは珍しくありません。
しかし、歯茎を押すと痛む(圧痛)場合は、炎症による腫れを伴うことが少なくありません。
痛みの原因によっては追加の処置や再治療が必要になる場合もあります。
根管治療後に歯茎を押すと痛む原因は主に5つあります。
- 根管治療による痛み
- 薬を詰めたことによる痛み
- 被せ物や詰め物による痛み
- 治療後の炎症による痛み
- 神経が取り切れていないことによる痛み
これらの原因について以下で詳しく解説します。
根管治療による痛み
根管治療では、歯の神経を取り除くため、歯根の先端や周囲の組織が敏感になり、器具が当たった刺激で痛みを引き起こすことがあります。
また、治療後に根の先端に小さな傷が生じることもあり、炎症を引き起こして押すと痛む場合も考えられます。
治療中は麻酔が効いているため強い痛みを感じにくいですが、麻酔が切れると痛みが出現しはじめるケースもあります。
根管治療による痛みは、数日から1週間で改善されることが一般的ですが、痛みが持続する場合には、歯科医院を受診して相談しましょう。
薬を詰めたことによる痛み
根管治療の経過で、洗浄と消毒を繰り返した後に薬剤を根管内に充填します。
食べ物や細菌を根管に入れなくするために隙間なく薬剤を充填することが重要なため、圧迫感による痛みを感じることがあります。
また、消毒薬が根の先から漏れ出してしまうと、周辺の歯茎への強すぎる刺激で痛みが出ます。
特に、炎症が強い場合や感染が広がっている場合には、薬剤の反応で一時的に痛みが増すことがあります。
被せ物(仮蓋)による痛み
根管治療後では、歯の根の中に薬を詰めた後に被せ物(仮蓋)で蓋をします。
被せ物の高さが合わないと、噛み合わせが悪くなり反対側の歯が当たり痛むことがあります。
被せ物の高さを調整してもらうことで痛みが改善する場合があります。
合わない被せ物を使い続けていると、周囲の歯や歯茎に悪影響を及ぼす可能性もあるため、早めに歯科医院で相談しましょう。
治療後の炎症による痛み
根管治療後に、歯を支える組織に炎症が起こっている場合は痛みや腫れが出ます。
炎症の原因にはさまざまなものがありますが、主に根管内部の洗浄や消毒が不十分であったり、新たに細菌が根管内に入り込み膿が出てくる場合が考えられます。
歯科医院での診察を受け、炎症への対処を行うと痛みは軽減します。
神経が取り切れていないことによる痛み
根管内の神経が取り切れていない場合には根管治療後に痛みが出ます。
根管治療は、専用の器具を用いて神経と血管からなる歯髄と呼ばれる組織を除去する治療です。
しかし、根管は細く枝分かれしているなど複雑な構造で、正確な全体像を把握できないと神経の取り残しが起こります。
大部分の歯髄を残してしまうと、細菌が入り込み炎症を起こして痛みが出る場合もあります。
このようなリスクを少しでも減らすため、マイクロスコープなどの精度の高い治療ができる設備を用意している歯科医院もあります。
根管治療が失敗したらどのような症状が現れる?
根管治療後に痛みが出て、失敗ではないかと不安に思う方も少なくありません。
根管治療の失敗が疑われる場合には、早急な歯科医院での診察が必要になるため、どのような症状が出るかを知っておくと判断や対処がスムーズになります。
根管治療に失敗した際に現れる症状は、痛み、腫れ、膿、歯の変色、ぐらつきなどで、根尖性歯周炎といった炎症の症状が現れる場合もあります。
根管治療に失敗した際の症状について、以下で詳しく見ていきます。
痛み
根管治療後は、痛みを感じることは少なくありません。
しかし、治療直後の強い痛みや1週間以上も続く痛みの場合は、何もしていなくても強い痛みがある場合は、根管治療が失敗している可能性があります。
痛みが出ている場合、放置すると悪化する可能性が高いため、歯科医院に相談しましょう。
腫れ
根管治療後に歯茎の腫れが出てくる場合は、根管内で細菌が繁殖し炎症を起こしているかもしれません。
腫れが根管治療後数日で治まらない時は、根管内の細菌が取り切れていない場合があります。
放置すると、顔や顎まで腫れてしまう可能性もあるため、早めに歯科医院に相談が必要です。
膿が出る
根管治療が失敗して細菌が取り切れなかった場合、膿が出ることがあります。
膿は、歯茎の中で細菌によって死んでしまった細胞や破壊された組織でできています。
膿が出ていても痛みを感じないことが多く、異変に気づきにくいのが特徴です。
歯科医院では、膿が溜まった部分を切開し膿を排出させます。
歯が変色してきた
根管治療後に歯の色がグレーや黒に変色してきた場合も失敗のサインです。
この症状は、根管内に壊死した組織が取り残されていたり、血液や細菌が歯の内部に蓄積している場合に起こります。
噛むとぐらつく感覚がある
噛む時に歯が安定しない、ぐらぐらしている感覚がある場合には根管治療が失敗しているかもしれません。
根管内に細菌感染が残っていて、炎症が周囲の骨を弱らせ歯をぐらつかせることがあります。
また、炎症が進むと顎の骨が吸収されることにより、歯が支えを失ってぐらつきを感じる場合もあります。
根管治療後に歯のぐらつきを感じる場合は、すぐに歯科医院の受診が必要です。
根尖性歯周炎
根管治療後に歯茎におできのようなものができ、噛むと痛い、膿が出る、寝られないくらいの痛みが出ることがあります。
上記のような症状が出た場合は根尖性歯周炎の可能性があります。
根尖性歯周炎は歯の根の先端にできる炎症で、根管治療が不十分で細菌が取り切れていないことで起こります。
根尖性歯周炎を放置すると、顔面が広範囲で腫れる、発熱するなどの症状が出ます。
根尖性歯周炎が自然に治ることはありません。膿が出ると一時的に痛みが引くことはありますが、必ず歯科医院を受診するようにしましょう。
根管治療後の痛みの応急処置方法
根管治療後に歯茎を押すと痛いけれど、すぐに歯科医院にいけない時は以下のような応急処置方法を試してみましょう。
- 痛み止めを服用する
- 痛む部分に触れない
- 長時間の入浴、飲酒、運動を避け体を温めすぎない
- タオルを巻いた保冷剤で頬を冷やす
痛み止めは処方された薬を使うのが基本ですが、なくなった際は市販の痛み止めを服用しても問題ありません。
長時間の入浴、飲酒、激しい運動により血行が促進されると痛みが強く出ることがあります。シャワーや短時間の入浴にとどめ、飲酒や運動は痛みがある場合や治療直後は避けましょう。
痛い場所は押したり触ったりせず、タオルを巻いた保冷剤で冷やすと痛みが緩和されることがあります。
なお、以上の対処法はあくまで一時的な応急処置のため、歯茎を押して痛い場合には早めに歯科医院を受診してください。
根管治療後にどんな痛みがあれば受診すべき?
根管治療後には痛みが出ることは少なくありませんが、痛みの感じ方には個人差も大きく、どんな痛みがあれば受診すべきなのか迷う方もいるかもしれません。
ここでは、根管治療後の痛み別に一般的な受診の目安を解説します。
何もしなくても痛い
根管治療後に、何もしなくても痛みが出ることがあります。
ズキズキと強く痛み、夜も眠れないほどの激痛になることもあります。
何もしなくても強く痛む場合は、根管治療の失敗や歯が折れている、他の歯が虫歯になっているなど緊急性の高いケースが多いため、すぐに歯科医院を受診しましょう。
噛むと痛い
根管治療後、噛むと痛みが出る場合は、さまざまな原因が考えられます。
主な原因は、根尖性歯周炎、歯の根が割れる歯根破折、歯周病、噛み合わせの悪さなどがあげられます。
複数の症状が重なって痛みが出ている場合もありますので、数日様子を見て痛みが引かなければ、歯科医院で原因の特定をしてもらうことが大切です。
歯茎を押すと痛い
根管治療後に歯茎を押すと痛む場合は、なるべく早い受診をおすすめします。
歯茎を押すと痛むのは歯茎の内部に膿やガスが溜まっているケースが多いため、そのまま放置しておくと急激に強く痛むこともあります。
歯茎が全体的に腫れていて押すと痛い場合は歯周病も疑われます。
どちらも放置して治るものではないため、できるだけ早く歯科医院に相談すると安心です。
少し痛む気がする
根管治療後、強い痛みはないけれどなんとなく痛いような気がするという時は、緊急性はあまり高くない場合が多いです。
根管治療後に痛みが出ることは珍しくないため、少しの痛みの場合には1週間程度様子を見ても構いません。
しかし、少しの痛みであっても、1週間以上続くような場合は受診したほうがいいでしょう。
なんとなく痛むという症状は歯周病や歯根破折の初期にも出てくるため、歯科医院で原因を特定することが大切です。
根管治療後に歯茎を押すと痛いのはいつまで続く?受診の目安
根管治療後に歯茎を押すと痛い状態が1週間以上続く場合には、根管治療の失敗も考えられますので、なるべく早い受診をおすすめします。
また、以下のような場合は歯科医院での再治療が必要になる可能性が高いです。
- 3日~1週間以上痛みが続く
- 1週間以内でもズキズキした痛み
- 我慢できない痛み
- 抗生剤や鎮痛剤でも治らない痛み
自己判断で放置しておくのは、症状を悪化させる場合もあります。
歯科医院で相談し、処置や再治療を受けることが痛みの軽減につながります。
根管治療の再治療の方法
根管治療後に痛みがある場合、根管治療の再治療が行われることもあります。
根管治療の再治療の方法は以下の手順で行われます
- 麻酔をする
- 根管に詰めている充填剤を取り除く
- 根管内の消毒を行う
根管治療の再治療は、一般的に2~3回の受診で完了します。
根管治療の再治療は、前回の根管治療の失敗や噛み合わせの不具合、日頃の口腔内のメンテナンス不良などが原因で腫れや痛みなどの症状が出た場合に検討されます。
根管治療は難度の高い治療で、歯科医院の設備や歯科医師の技術によって成功率が大きく左右され、細菌の取り残しも珍しくない治療です。
そのため、根管治療の再治療を行う際には、精度の高い治療のできる設備や根管治療に力を入れている歯科医院を選ぶことも大切です。
神戸市東灘で根管治療後、歯茎を押すと痛い場合は『福山デンタルクリニック』へ
根管治療後に歯茎を押すと痛い場合は、根管治療によるもの、薬を詰めたことによるもの、被せ物や詰め物、治療後の炎症、神経が取り切れていないなどさまざまな原因が考えられます。
根管治療後、数日から1週間経過しても痛みがある場合や激しい痛みがある時は早急に歯科医院を受診しましょう。
根管治療後に歯茎を押す際の痛みの原因には、根管治療の失敗によるものも少なくありません。
失敗している場合には、歯の根に炎症が起きて腫れたり膿が溜まることで痛みが出ますので、再治療を検討する可能性が高いでしょう。
根管治療は難度が高く、精度の高い設備が整っていて根管治療に慣れている歯科医院を選ぶことが重要です。
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被せ物もマイクロスコープを用いて技工士が作成するため、再感染リスク軽減につながります。
根管治療で痛みが出て不安になっている、再治療についてお悩みの方はぜひ、『福山デンタルクリニック』にご相談ください。