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根管治療とは

根管治療とは

根管治療とは

私のもっとも得意とする「根管治療」について、少し詳しくお話をさせていただきたいと思います。まず、「根管」とは何か?についてお話しします。
もともと歯は骨に刺さっており、そこから栄養を取って大きくなったり、虫歯から身を守ったりしているのですが、その栄養をとる歯の根っこから伸びる管のことを「根管」といいまして、「根管治療」とは、この「管」をキレイにする治療のことを差すのです。
歯の写真です。これをレントゲンで撮ると、右の写真のようになります。

通常の状態では確認できませんが、レントゲン写真では薄いひも状の黒い影が確認できます。これが「根管」です。
この管をきれいにする治療を「根管治療」と言います。
(「根の管の治療」だから「根管治療」と言います)
また、別の言い方では「歯内療法」といいます。
(歯の中の治療だから、「歯内療法」ですね)

根管治療の目的

たとえば、下の写真のように歯が虫歯で穴があいた場合を見てみましょう。
歯とは、日々健康に保っているつもりでも、ある日突然、またはじわじわと、「冷たいものがしみる」・「熱いものがしみる」・「寝る前に特に痛む」・「何もしなくてもズキズキ痛む」等々、いろいろな痛みが出てくるものです。
レントゲンで見てみましょう。

レントゲンの真ん中にある黒いひも状のものが「神経」が入っている管です。この「管」の中に「神経」や「血管」の複合体、すなわち「歯髄」が入っているのです。
さて、この「歯髄」にバイキンが入ると、先ほどのような、「痛み」がでます。その「痛み」はバイキンによるものなので、取り除かないと治りません。また、再発を防ぐにはそれだけでは不十分なので「蓋(蓋)」をしなければいけません。

つまり、「根管治療」の目的は大きく分けて

1.バイキンを除去すること

2.再び侵入してくることを防ぐこと

という2つの目的があるのです。

バイキンを除去する

まず始めに歯は歯肉より上の歯冠部と歯肉に埋まっている歯根部にわかれます。虫歯の多くは、この歯冠部から侵入してきます。
今回はこの歯冠部の話です。虫歯が上の写真のようにあったとします。バイキンはどこに一番多く存在するでしょうか?
過去の論文を紐解いてみると、一番バイキンが多く発見されたのは、歯の上の方、すなわち、虫歯が侵入してきたところです。
ですから、一番注意深く、バイキンを除去する必要があるのは、一番上の虫歯が侵入してきたばかりのところなのです。

そこを、下の図のようなダイヤモンドコーティングしているバーを使ったり、ステンレススティールのバーで掻き出したりと

一般的にはこのような道具を使います。
ところが、もっと細部の作業をするときは「エキスカベーター」を使用します。エキスカベーターとは下の写真のような耳かきのようなものです。

これは、様々な種類のものが発売されており、モクダ商会さんより「岡口守雄モデル」というマニアックなのもあります。もちろん、当院にはございます。このエキスカベーターで、細かな虫歯やバイキンを除去することこそが、根管治療の最初のステップです。そこで、取り残しがないように、マイクロスコープ、すなわち顕微鏡が活躍するのもこの場面です。

虫歯は健康な歯に比べて軟らかく、色も茶色っぽくなっていますので、

「しっかり見て、しっかり取る!」

基本的なことですが、一番大切なことです。

根管治療の目的は大きく分けて

1.黴菌を除去すること

2.再び侵入してくるのを防ぐこと

という2つがあり、前回は1. について歯の上の部分(いわゆる「歯冠部分」)についてのお話をさせていただきました。
今回は「歯根部分」ついてのお話です。

写真にもある通り、歯根部分には細いひも状になった神経の入っていた「管」があり、この「管」をきれいにすることが「根管治療」なんですが・・・・この細い管をどのように「きれい」にするのでしょうか?

 

過去、現在を通して様々な機械や器具がありますが、主に「ファイル」と呼ばれる「ヤスリ」を使って掃除します。

Kファイルの写真です。

Kファイルは、主に保険治療で使用されているスチール製の器具で、先が非常に細く取り扱いが難しいのですが、細い割には丈夫で、安価なため多くの歯科医師が利用しています。これを「管」にいれてゴシゴシと擦り、バイ菌や汚れを取り除くのです。このKファイルは細くて丈夫という反面、硬くて曲がりにくい、先細りの角度が緩いという欠点があります。

「管」のアップです。この管は真っ直ぐではなくて「曲線」になってます。

Kファイルの「硬くて曲がりにくい」というのと相性が良くないです。この「管」に硬いKファイルをゴシゴシ入れても、がりにくいので、一番先の方まで入っていかないケースが多く見られます

この場合はどうすればいいのでしょうか?

前回は、歯根部分のお掃除の方法として、Kファイルという器具を使うものの、硬くて曲がりにくいので、最先端まで届かないケースがある・・などといった問題があることをお話させていただきました。

「それでは、Kファイルでできる範囲ですませなければいけないのか?」

「それでは、完全な治癒が期待できず、また再発するのではないか?」

という疑問を持たれるかもしれません。

また、「根管」と「相似」の形が望ましいのですが、Kファイルではかなり難しいです。「相似」であるほど、「物理的に強い」形態です。また、細菌もうまく除去できていると思われます。
そして、神経をとった「根管の形の理想形」というものがやはり、学会でも発表され(アメリカ歯内療法学会)、過不足なく削り、再感染を防ぐための材料を詰めるための形でもあります。

それが、根尖の先が 0.35mm で 6度の増加率の角度です。
しかしながら、これは一般的なお話で、例えば、細すぎる根っこや、太すぎる根っこでは当てはまりません。

なお、細菌を完全に除去していることが最低条件です。細菌の取り残しがあるなら、それを優先して、形よりもきれいにすることが大事です。
さて、このように理想的な形を簡単に作ることのできるファイルが登場しました。
NiTiファイルです。柔らかく、弾性があるのが特徴で、先端から根元にかけての増加率も、根管の形に合うようになってきています。

根管治療の目的の一つの「再び細菌が侵入してくるのを防ぐこと」がありますが、侵入してくるのを防ぐためのお薬を埋めなければいけません。上から広がった形状になっているので、お薬を埋めやすい構造になっています。ただし、この「お薬を埋めること」は様々な手法があり、それぞれにあったファイルを使うことがいいと思います。(特に若い先生がたに言いたいのは、色々と浮気をしないでくださいということ。一つ一つの特徴をはっきり掴んでからトライしてください)

ただし、デメリットとしては

・高価であること

・折れやすいこと

があり、保険治療ではなかなか使用しにくい器具です。

なお、当院では、この「NiTiファイル」も数多く揃えており、それぞれのメリット、デメリットを把握しながら使用しております。

バイキンが再び侵入するのを防ぐ

根の中をしっかりお掃除した後に、

1)生体にとって安全である(生体親和性)
2)長い年月、化学的、物理的に変化しない(長期安定性)
3)操作性が良い
4)安価である

などの要件を満たす素材のものを入れなければいけません。
そのために、一般的には「ガッタパーチャ」と呼ばれるものを使用しています。

これは「ゴムの木」から取れる「樹脂」で、Wikipediaによると「ゴルフボールの外皮」に一番使われているとのことです。
管の中の空洞を、様々なサイズのガッタパーチャを使って埋めていきます。
削ったサイズとできるだけマッチするように規格性があり、ピタッとくるものを使用します。(もちろん、そのためのファイルも選びます)
ただし、どのように工夫しても空洞が出来てしまいますので、そこを埋める工夫が必要です。

隙間を埋める工夫として

①ガッタパーチャ同士をくっつけるセメントを使う方法
②圧力を加える方法

の二つが主な方法です。

まず①の「セメントでくっつける方法」ですが、シーラーと呼ばれる接着剤を用いてくっつけます。そのシーラーも数多くの種類があり、カルシウムをずっと出し続けるものから、セメダインみたいなもの等色々ございます。
次に、 ②の圧力を加える方法ですが、要はグイグイ押し込むと「隙間なく詰めることができる」という理屈です。隙間があると、ばい菌が繁殖してしまうので、隙間をできるだけないようにすることが望ましいのですが、圧力を加えると「歯の破折につながる」という論文もあります。

根管治療後の安定性

根管治療をして、きれいになった根の中は、どのようにして悪くなってしまうのでしょうか・・・・?
再び、バイ菌に感染してしまう理由は何なのでしょうか?

一番大きな理由は、治療後にする「被せ物」や「詰め物」の隙間からバイ菌が入ってしまい、それが膿んでしまうということだと言われています。この「バイ菌が隙間から入ってくること」を”微小漏洩”と言います。
「これが、どのくらい影響があるのか?」といいますと、Ray,Tropeらがかいた代表的な論文では以下の通りです。

従って、根の中をきれいにすることは重要なのですが、それだけでなく、被せ物をきちんと入れる。フィットの良い被せ物こそが、後々の治療成績に大きく影響します。
さて、論文が示唆するのはここまでなのですが、拡大解釈すると・・・・

①お口の中を清潔に保つ。バイ菌の少ないお口になるように心がける。
②安定した咬み合わせ、被せ物が長期的に安定するお口になる。

という2点が非常に大切である、ということになります。

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