各種根管充填材の比較の論文
2015年にBalluaya SV(インド)らは根管充填材について比較実験をしました。根管充填とは根管治療の最後に安定性の高いお薬を入れる治療を指します。その材料は大きく分けて2種類入っていてシーラーとコアマテリアル(ガッタパーチャ)です。コアマテリアルは歯とくっつかないので、再感染を防ぐためにシーラーと呼ばれる接着剤を使うのが通例です。

根管充填の図

シーラーのイメージ。緑がコアマテリアルでピンクがシーラーとご理解ください。
緑のマテリアルを歯とくっつけるためにピンク色の接着剤を塗ります。
さて、このシーラーにはさまざまな薬効成分があったりするのですが、その性質上収縮する性質があるものと膨張する性質があるものがあり、膨張する性質の方が細菌の再感染を防いでくれると言われています。
このシーラーをいろいろな素材で比較実験した実験をしたのがBalluaya SVです。
従来あったシーラーは「収縮する」や「溶けてしまう」という欠点がありました。その欠点の比較するために根管充填した歯に染色液をいれてどれくらい漏洩するのか?を検証したのです。その結果を以下に記します。
Balluaya SVらは60本の歯を用いて実験しました。漏れが少ない順から
Endosequence BC(最も少ない漏れ)
MTA Plus
AH Plus
EndoRez
Sealapex
酸化亜鉛ユージノールベースシーラー(最も多い漏れ)
でした。Endosequence BCとMTA plus はバイオセラミックシーラーと呼ばれるもので、その後をレジン系シーラーのAH Plusです。水酸化カルシウム系と酸化亜鉛ユージノールはもっとも多い漏れを示しました。
以上の結果からバイオセラミック系シーラーの優位性が示されたわけですが、実際には操作性、使いやすさや費用などいろんな面から選んでいくというのが現在です